
どうも、くりりんです。
今回は、社会人ドクターになることを会社に承認してもらうために知っておいたほうが良いと思うことを、実体験を基に5つ取り上げて解説します。
そもそもこの記事での「社会人ドクター」とは、会社勤めをしながら、博士号を取得するために博士課程を修学する人のことを指しています。
この記事では、博士号を取得する前段階である、社会人ドクターになることを会社で認めてもらう、あるいは社内での申請を会社に承認してもらうために知っておいたほうが良い点について解説していきます。
◇社会人ドクターになることを会社に承認してもらうために以下の5つの点に留意しましょう。
■目次
1. 「自分が学びたい専門分野」が「会社が求める人材」と合致するかを考えるべし
2. ゴール(卒業要件)到達を最短距離で行く道筋を把握するべし
1.「自分が学びたい専門分野」が「会社が求める人材」と合致するかを考えるべし
述べるまでもないかもしれませんが、社会人ドクターになるための前提条件です。
自分の学びたい分野が会社にとって必要でなければ、会社が承認するわけがありませんよね。
しかし意外と「会社がどういう人材を求めているか」というのは把握しづらい面もあります。
それを把握するためには、まず自分が社会人ドクターになりたいという意向を直属の上司に伝えましょう。そのあとで、「自分が学びたい分野」と「会社が求める人材」についてじっくり話し合い、合致する点を探っていきましょう。
ここでうまく双方で折り合いがつけられることができれば、承認成功はグッと現実味がでてきます。
また、大学や指導教員についても自分で一から探すより、経験豊富な上司から紹介・提案してもらうほうがスムーズに話が進みます。
2. ゴール(卒業要件)到達を最短距離で行く道筋を把握するべし
1. で上司と話し合いを行う中で大学や指導教員が決まれば、次は卒業要件を完全に把握しましょう。
いわば、卒業要件を満たすことが最終目標となるわけなので、その最終目標を事前に明確にしておきましょう。
卒業要件は、大学や学部によってさまざまですので、各大学のHPにて卒業要件を確認しましょう。また、大学の教務課あるいは学生課といったところに電話やメール等で問い合せると親切に教えてくれるはずです。
(私は大学の教務課に直接電話で問い合わせて情報を収集していました。)
社会人ドクターのゴール(卒業要件)が分かれば、それを最短距離で行くにはどうすべきか、ということを考えます。
卒業要件としては、
・雑誌へ投稿した論文(フルペーパー)の数が○○報以上
・投稿雑誌のインパクトファクター(IF)が合計○○以上
というケースがほとんどではないかと思います。
例えば、
・雑誌へ投稿した論文(フルペーパー)の数が2報以上
・投稿雑誌のIFが合計3.0以上
という卒業要件であれば、
「1報目は手堅く国内学会の機関ジャーナルに投稿してIFを稼いで、残りのIFを海外ジャーナルに1報出して掲載されれば、要件を満たすな」という具合で最短距離を想定しておきます。
社会人ドクターは3年間(あるいは4年)という限られた期間の中で要件を満たす必要がありますので、最短距離で要件を満たすことに注力することが重要です。
3. じっくりと研究計画を練るべし(これで8割方決まる)
2.までクリアできたら、具体的に研究計画を立てていきます。
この研究計画を、いかに実現可能な内容で、いかに緻密に組むことができるかで、ストレートで卒業できるかが8割方決まってくると思っています。
ただ、計画をたてるときに、うまくいくという前提で計画をぎゅうぎゅうに詰め込んでしまうと、何か実験で行き詰ったときに容易く計画が破綻してしまいかねません。
研究とはうまくいくことのほうがレアケースですので、うまくいかなかったときのことも想定して、「ある程度余裕のあるスケジュール立て」をすることが大事です。
この余裕があるスケジュール立てに基づいた研究計画を引っ提げて会社に申請することで、審査する人も「これなら問題なく博士号取得してくれそうだな」と思うはずです。
4. 社会人ドクターはフライングが大事
3. の余裕のある研究スケジュール立てを可能にするために効果的なのが研究の「フライング」です。
在学期間の3年あるいは4年でゼロから実験をスタートすると、
論文を書くためにデータを収集する期間+論文を書く期間が必要になりますので、とてもじゃないですが時間が足りません。
そこで、あらかじめ、2年前あたりから、早めに指導教員と根回しをして、博士号取得を前提にした共同研究をスタートしておくのです。
そうすると、その2年間である程度実験データを収集することができ、あわよくば論文を各段階にまでいっていると、期間的にも精神的にもだいぶ余裕ができます。
5. 周囲の人(上司、同僚、家族)から理解・サポートが得られる環境づくりを怠るべからず
これは、4.のあとに取り組むのが良いというわけではなく、むしろ日ごろから研究に対する熱意や博士号取得の必要性などを様々な場面で話をしておくことが重要なのかなと思っています。
社会人ドクターは日ごろのルーチン業務に加えて研究活動、論文の執筆活動を行わなければなりません。必然的に非常に多忙な日々を送ることになる時期が必ず出てきます。
そういったときに、家族の理解、社内での理解がないと、肉体的、精神的に潰れてしまうでしょう。
社会人ドクターを目指すと決めた日から、周りの協力がなければ博士号の取得は非常に困難であることを認識しながら日々の生活を送ることが大切かなと思います。
また、研究活動や執筆活動に時間を割くことができるよう、ルーチン業務をテキパキと処理していく能力「時短術」をビジネススキルとして身に付けることが必要です。
6. まとめ
社会人ドクターを会社内で勝ち取るためには、
上司や家族と早めに相談し、サポートを得ながら、
立てた無理のない研究計画を基に、
明確に博士号取得への道筋を説明できること、
これが大切です。
社会人ドクターに興味がありましたら、一度博士号取得を検討されてはいかがでしょうか。
それでは今日はこの辺で。
んじゃまた。
▲目次にもどる